2010年10月27日水曜日
Horloge modéle reduit
学研「大人の科学」vol.28。
8月、K君がパリに来たときに届けてくれたおみやげ。
2ヶ月間棚に置きっぱなしでしたが、やっと作りました!!
この時計、機械式なだけではありません。
時を刻むために必要となる天符(てんぷ)が、
なんと2個ついているんですよ!
説明書を読んで驚き。
なんと、江戸時代、昼と夜で時を刻むスピードが違っていたのです!
つまり一時(いっとき。子丑寅・・・ってやつ)は2時間ではないんですよ。
日の出と日の入りの時刻を基準にして昼と夜を分け、
それぞれを6つに分けて「一時」を定義する。
ということは・・・
昼の方が長くなる夏は、(昼間の一時)>(夜間の一時)、
夜の方が長くなる冬は、(昼間の一時)<(夜間の一時)、
となるわけです。
13世紀ごろヨーロッパでは、機械式時計が発明され、
すでに1日を24等分する「定時法」が使われ始めていました。
日本に時計が伝わったのは16世紀ごろ。
しかし、日本では不定時法が使われていましたから、
そのままでは時刻が合いません。
そのうち、時計の調整をする職人が現れ、そして西欧式の時計を改造し、
不定時法に対応した時計、「和時計」を作り出したのです!
それが、この二挺天符(にちょうてんぷ)式時計。
機械式時計が動く仕組みは、実は簡単。
ゼンマイがほどけるエネルギーで、針を回すだけ。
ただ、ゼンマイカーのように、ゼンマイを一瞬でほどいてしまうと
時計になりませんから、天符と呼ばれるバネを用いた装置で
歯車の回転を制御します。
で、普通の時計は天符1つで十分なわけですが、
これを2個準備して、昼と夜で切り替えて使うことで、
時を刻むスピードを変えるわけです!
ただし、不定時法を正しく設定するためには、
実は毎日のように天符のおもり調整(バネ定数調整)が必要です。
江戸時代には24節気ごと、つまり半月に1回調整していたそうです。
で、完成した2挺天符式和時計、
昼も夜も同じ速度で時を刻むように調整しました・・・
ここ、ヨーロッパだし。今は日本でも定時法だし(笑)
(調整がめんどくさいんですって。)
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