2010年12月30日木曜日

Musée National du Moyen Âge


国立中世美術館。またの名をクリュニー美術館。
中世の美術品を集めた美術館なんですが、
なんと2世紀後半のガロ=ローマ時代の湯治場だった場所。
約1800年前の浴場跡(Thermes)と14世紀の修道院跡(Hôtel de Cluny)が
一緒になった美術館なのです。

前々から行ってみたいと思っていたのですが、
ようやく今日行ってきました。


まず、入口を入ってすぐにある、フランスの守護聖人サン・ドニの石像
3世紀のパリの司教で、モンマルトルで斬首刑に処されたとされます。
処刑の後、自身の首を手に持って説教をしながら
北に向かって数キロメートル歩いたと言われています。

次は美しいステンドグラス。
教会のステンドグラスを修復する際、オリジナルを美術館に保管し、
新しく作った複製を教会に入れるそうです。
いずれも12~13世紀の製作です。

これは、サント・シャペル(Sainte Chapelle)のステンドグラス。

トロワの教会から集められた、聖ニコラ(Saint Nicolas)のステンドグラス。

修道院跡からローマ浴場跡へ。

ノートルダム大聖堂(Notre Dame de Paris)の外壁にあった彫刻の数々。
フランス革命時にほとんど破壊されてしまいました。
12~13世紀の建築当時の石像が、そのまま展示されています。


これはサン・ジェルマン・デ・プレ(Saint-Germain-des-Prés)教会の
石柱の一部。1000年以上前の彫刻ですよ!

そして、1800年前の遺跡!
ローマ浴場跡の壁の一部です。


クリュニー美術館最大の見どころは、
「貴婦人と一角獣」(La Dame à la licorne)のタペストリー。15世紀末作。
6枚セットになっています。
はじめの5枚が、人間の五感を表したもの。

味覚(Le goût)。貴婦人がキャンディを手にとっています。

聴覚(L'ouïe)。ポジティブオルガンを奏でています。

視覚(La vue)。ユニコーンが鏡を覗いています。

臭覚(L'odorat)。猿がお花の香りをかいでいます。

触覚(Le toucher)。貴婦人がユニコーンの角に触れています。

そして最後の1枚。
後ろのテントに、「我が唯一の望みに」(À mon seul désir)と書かれています。
この6枚目のタペストリーが何を意味しているか、未だに謎だそうですよ。


これらの展示の他にも、たくさんのタペストリーや彫刻、装飾品、
修道僧の椅子などが展示されていました。



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