2011年2月2日水曜日

Musée des Arts et Métiers


パリ工芸博物館
メトロ3番線と11番線、アール・エ・メティエ(Arts et Métiers)駅徒歩10秒。
フランス国立工芸院の科学遺産や発明の保管場所として作られた博物館です。

使われなくなった教会、サン・マルタン・デ・シャン教会
(Abbaye Saint-Martin-des-Champs)の小修道院の建物を
そのまま博物館として使っています。
なので、敷地内に教会があります。

それでは、まずは教会部分からいきましょう!
上の写真に写っている高いドーム部分から1本の糸が。
そしてそこには・・・
以前行ったパンテオンと同じく、
フーコーの振り子(Pendule de Foucault)のレプリカがあります。


この教会(実際には教会ではなく博物館ですが)、他の教会とは違って、
なんと内部が着色されているんです!
上の写真でも分かるんですけど、
赤とか黄とか緑とか、カラフルな色が塗られています。

実は、中世のころ、本当はこんな色をしていたんだそうですよ。
時が経つにつれて色あせてしまい、今ではほとんど色がありませんよね。
ここは博物館ですので、昔の教会の色を再現しているんだとか。


内部にスロープと階段があって、
歴史的な各種の乗り物が展示されていました。

係員曰く、「パリからロンドンへ飛んだ飛行機」だそうです。

ルノーのF1マシン。
プロストの名前入り。ということは1981~1983年モデルですね。

そして、自由の女神。
本物はセーヌ川にあります。(ニューヨークじゃないよ!笑)

係員曰く、「第1次世界大戦で使われた飛行機」だそうです。
英語で教えてくれてるはずだったのに、
Guerre mondialeとかAvionとか、ほとんどフランス語じゃん(笑)


それでは、博物館本館へ移動しましょう。

まずは見逃せない一品から。
発明家クレマン・アデールが作った飛行機、アヴィオン(Avion)。
フランス語の飛行機「Avion」という単語は、
アデールの作ったこの飛行機の名前から採られたそうです。

エンジンに蒸気機関を積んでいます。これは優秀だったそうです。

Wikipediaによると、アヴィオンの飛行が成功したかどうかは不明だそうです。
ただ、アデールはアヴィオンの前にエオール(Éole)という飛行機も作っていて、
1890年にエオールで約50mの飛行に成功しています。
(ただし、高度はわずか20cmで、操縦も不能だったそうです。)


次は、「キュニョーの砲車」と呼ばれる「世界最古」の自動車。
蒸気機関で自走する三輪自動車の試作車です。

1号車は1769年製作にされ、試運転走行されました。
このため、1769年が自動車誕生の年、
そしてフランスが自動車発祥の地(そうだったのか!)とされています。

1770年の走行実験中に操縦を誤り壁に激突、
「世界初の自動車事故」を起こしました。
ここに展示されている上の写真は2号車で、
事故による故障を修理したバージョンとのことです。


次はオートマタ(仏:Automate)。
情報系の君なら知っているあの用語、「オートマトン」の複数形。
オートマタは自動人形、自動機械と訳され、
ぜんまいなどの力で動くからくり人形などを指します。

オランダで生まれたオートマタは、その後スイスの時計技術と
フランスのディレッタンティズム(芸術愛好主義、かな?)が融合して
花開いたと言われています。

今日はオートマタのデモがあって、下のからくり時計を動かしてくれました。
時計の左右にある人形が作業をし、上にある道路を人が歩きます。

まるで絵画のようですね。

これはスポットライトが当たっていたのでわかりやすいですが、
風車の影からも分かるように立体的。
多分風車が回るのでしょう。

これぞからくり人形。
デモで見せてくれました。
傘を回りながら首を動かす男性。

これはよくあるオルゴール。
穴がたくさんあいているレコードのような円盤を取り付けてぜんまいを巻くと、
オルゴールの美しい音色が響き渡りました。

オートマタの最後はピアノの自動演奏装置。
これには相当感動しました!!

この部分に楽譜を取り付けて・・・

ただいま演奏中!
紙にある穴を読み取って自動で鍵盤を動かします。
動力はペダルです(だれかが踏み続ける必要があります)。

大物はここまで。
でも展示はまだまだ続きます。


日時計。詳細な時間が計れるように、細かい線がたくさん書かれています。

Poids。おもりです。

計算尺。下側のは対数尺です。

計算機。

300年前の地球儀。
アメリカ大陸が北極と繋がってたりしてますね。
しかし、探検済みの部分はかなり正確に描かれているようです。
カナダに「Nle (Nouvelle) France(新しいフランス)」と書かれています♪

航海のためのコンパス。


ここからは機械式時計大集合です。


内側は見えませんが、いつものとちょっと違う構造のようです。

4階建て構造の時計。
文字盤は上から見ます。

テンプが下にあって、太めのヒゲぜんまいが付いています。

時計好きにはたまらない展示でした!!


次はコンピュータ。
1889年の掛け算機。手回し式です。

そして、現代のものにすごく近いコンピュータ。
キーボートが付いています(右下を除く)。
左下はIBM、中下はAppleです。

世界初の商用パソコン、ミクラル(Micral)
ベトナム生まれのフランス人、チー・チュオンが開発。
CPUはインテル8008だそうです。

1985年製ベクトル型スーパコンピュータ、Cray-2
1985年から1990年まで、世界最速。
なんか、スタートレックの宇宙船に搭載されているような・・・(笑)

Cray-2の心臓部拡大。
冷却のために液体を充填し、上の写真の中央後方にある装置で冷やします。

背後から撮影。
ケーブルの数が凄すぎる!!

次はゲームコーナー。
日本製のものがずらり♪

任天堂ドンキーコング。
液晶2画面で一世を風靡した(死語)ゲームウォッチ(これも死語)。
30年ぐらい前に超流行りました(私は持ってなかったけど)。

やっぱ、ドンキーコングって流行ったんだなぁ。。。
右のはドンキーコングJr。持ってたわ(笑)

任天堂テレビゲーム、ブロック崩し。
これも持ってた(笑)
それまでのテレビゲームと違って、カラーで超キレイだった記憶があります。


ここからは、工芸職人の技を感じて下さい!
精密な歯車。美しいですね。


いろんな形の歯車。
これで回るんかな(汗)

往復運動させるための装置。
下のシャフトの溝が面白い!

懐かしの足踏みミシン。
あ、SINGERはアメリカ製(笑)

ここからは何の装置か確認してませんが、
かなり大きな装置が、ところ狭しと展示されていました。




以上で内部の見学を終了。
18時閉館で追い出されました・・・


最後に博物館の周りを回って撮影しました。
サン・マルタン・デ・シャン教会の正面ファサード。

博物館の隣にある、フランス国立工芸院、
コンセルヴァトワール・ナシオナル・デ・アール・エ・メティエ
(Conservatoire national des arts et métiers)。
コンヴァトって音楽だけかと思ったら、演劇から工芸、映画まであるんですね。

国立工芸院の一角にあり、中世の要塞を彷彿とさせる塔。
写真のピントがイマイチ合ってなくて読みづらいですが、
1140年建立だそうです。。。


パリ工芸博物館、楽しい訪問となりました。
技術者の方なら満足頂ける場所だと思いますよ♪

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